パート1 光のある方へ
第1章 出会い
第2章 デウス・エクス・マキナ:回心
第3章 子供時代:葛藤の始まり
第4章 大学時代:神は死んだ
第5章 東京から愛をこめて
第6章 ハリウッドへ
第7章 これがすべてなのだろうか?
第8章 その後の展開
パート2 考察
第9章 よくある質問
第10章 金持ちの青年
第11章 後味の悪いスープ
第12章 三人の若者と燃える火の炉
第13章 愛するという召し
ー 著者のクック氏は、同性愛者としてハリウッドに住み、ファッション界の舞台デザイナーとして活躍し、大成功を収めていました。ところが、コーヒーショップで一人の青年牧師と出会ったことにより、その人生が革命的に変化しました ー
本書を手にした後、約1日で読了しました。読んでいるうちに、感動のあまり何度も涙を流しそうになりました。クック氏は、自分の内面を赤裸々に明かし、キリストの福音の素晴らしさを大胆に証言しています。日本語で読めるLGBTQ関連の書としては、秀逸です。
本書は、Part1(光のある方へ)と Part2(考察)の2部構成になっています。Part1は新生体験の証し、Part2はLGBTQに関する神学的考察を取り上げています。
証しの部分を読みながら、自分自身の回心体験を思い起こすことができました。また、キリストの内にある「アイデンティティー」(自己認識)がいかに素晴らしいものであるかを再確認させられました。考察の部分は、神学的知識に裏打ちされたもので、福音派のクリスチャンでも納得できるものです(クック氏は、タルボット神学校で修士課程を終えています)。
Part2で取り上げている質問は、以下のようなものです。
「しかし、あなたは生まれつきのゲイではないか?」
「神はあなたをそのように造られたのではないか?」
「しかし、私たちは自分の意のままに生き、自分自身に忠実であるべきではないのか?」
「ゲイであることとクリスチャンであることは両立するのか?」
クック氏は、これらの質問に誠実に、大胆に、聖書的に回答しています。
読後の感想として浮かび上がってきたキーワードは、「愛」です。本書から感じる最大の力は、クック氏が罪人たちに対して、特にLGBTQコミュニティの人たちに対して示している愛です。本書を、LGBTQという難解なテーマに関して真理を求めているすべての人にお勧めします。
ベケット・クックは、テキサス州ダラスで生まれ育つ。大学卒業後、脚本と演技のキャリアを積むためにロサンゼルスに移り住む。現在はファッション界でプロダクションデザイナーとして働いている。2017年にバイオラ大学タルボット神学校で神学修士号を取得。現在は宣教に多くの時間を費やし、教会や大学、カンファレンスでの同性愛の問題について講演している。